伴奏法

子どもの伴奏が「できる」ようになるまでの4つのステップ

こんにちは。幼稚園・保育園の先生に特化したピアノ教室、サポートの兼清です。

僕自身はピアノ専攻ではないのですが、これまでに小学校、中学校、高校の非常勤講師としてたくさんの年代の生徒を相手に授業でピアノ伴奏をしてきました。

特に、非常勤になりたての頃はピアノも得意ではなく、はたまた伴奏の経験などもほとんどなく、毎回とても苦労した記憶があります。

今回はそんなピアノを弾けなかった自分が、非常勤講師として授業でピアノを弾きはじめた頃の経験を元に、子どもの伴奏が「できる」ようになるまでのステップを4つに分けて考えてみたいと思います。

子どもの伴奏が「できる」ようになるまでの4つのステップ

伴奏が苦手なうちはたくさん練習をすると思います。私自身も本当に人生で一番ピアノを弾いていた時間が長いんじゃないかというほど練習していました笑

家で練習したり学校(園)で練習したり…

できないとわかっているからこそ、がむしゃらに練習するわけですが、できないなりにも続けているうちになんとなく弾けるようになるまでのステップがわかるようになってきました。そのステップというのは、

STEP1.最初から最後まで「正確に」弾ける
STEP2.最初から最後まで「止まらず」に弾ける
STEP3.弾き「歌い」ができる
STEP4.弾き歌いしながら「喋る」ことができる

の4段階です。これが全ての先生に当てはまるかはわかりませんが、私の場合はこの4つのステップを踏まえて練習することでだいぶ「伴奏」に慣れるスピードが上がりました。

STEP1.最初から最後まで「正確に」弾ける

目的:

・楽譜を正確に読む
・音価(リズム)や音を間違わないようにする

方法:

・メトロノームを使う(ゆっくり→インテンポ)
・1小節単位で完成させていく(左手→右手→両手)

おそらく全ての先生がやっているこのステップです。このステップの一番のポイントは

子どもが歌うときに間違ったリズムや音を覚えてしまわないこと

です。特に幼稚園や保育園のときに間違って覚えてしまうと、そのあと小学校に行ったときに思わぬところで子どもが恥をかいてしまうことにもなりかねません。

そして、このステップにおいてやってしまいがちな練習方法が

必ず毎回最初から弾き始める

という練習です。実際、私自身もこのタイプだったのですが、これだと

・毎回最初から弾くので時間がかかる
・最初ばかり練習することになって後半が上達しない
・実際に伴奏で子どもと練習するときに途中から弾くことができない

という問題が起きてしまいます。

気持ちはわかるのですが、絶対に1小節ずつ確実に完成させていくほうが、早く仕上がります。藝大時代、尊敬するサックスの先生が

「とにかくゆっくり正確に吹ける(弾ける)ようになれ。そうすればテンポをはやくしても絶対演奏できる。」

とおっしゃっていました。今、改めてこの言葉の意味がわかります。
まさに「急がば回れ」。まずはゆっくり正確に1小節ずつ弾けることを意識して練習してみてください。

STEP2.最初から最後まで「止まらず」に弾ける

目的:

・曲を通して弾けるようになる
・何が起きても止まらないようにする

方法:

・メトロノームに合わせて通す(ゆっくり→インテンポ)
・CD(youtubeなど)に合わせて弾いてみる

楽譜を一通り正確に弾けるようになってくると、次は止まらずに弾くということが大切になります。この練習を始めると最初のうちは「間違えた瞬間に止まってしまう」と思います。

しかし、このステップ2の一番のポイントは、

子どもの伴奏をした時に、何が起きても必ず弾ききること

です。伴奏においてのタブーは

間違えてしまうこと<止まってしまうこと

なので、ステップ1である程度正確に弾けるようになっているのならステップ2では、「少々ミスしても弾き切る力」をつけてください。そうすることで、

引き切る力=間違えても軌道修正するする力

が身についていきます。
また、模範のCDやYoutubeに合わせて弾いてみることもとてもいい練習になります。

僕の場合も、ある程度弾けるようになってくるとCDを流したり、イヤホンでYoutubeの参考音源を聴きながらそれに合わせて弾く練習をしていました。そうすることでだいぶ伴奏に対しての「自信」や「慣れ」を身につけることができました。

STEP3.弾き「歌い」ができる

目的:

・ピアノに「歌が加わった状態」に慣れる

方法:

・部分に分けて弾き歌いする
・通して弾き歌いする
・パートが複数ある場合は全てのパートを弾き歌いする

このステップからが一般的なピアノ伴奏と、「子どものためのピアノ伴奏」の練習方法の違いになると思います。

ここでの一番のポイントは、

歌+ピアノという最終的な曲の「完成形」を自分の頭の中にイメージする

こと。

私自身の経験をお話しすると、最初の頃

「よし!ピアノちゃんと弾けるようになったぞ」

と思って、いざ弾き歌いをしてみるととんでもなくできなくて驚くことが多々ありました。笑

そして、特にこの状態になりやすいのが

ピアノのリズムと歌の「リズム」が微妙に違うパターンの曲

で、最終的に頭の中にイメージする完成形はピアノのリズムと歌のリズムを全て噛み合わせたものにしなければなりません。

そのためにも「弾き歌い」をできるようにすることは、とてもいい練習になりました。

そして、この「弾き歌いだとできない状態」だと結局「子どもが歌で加わった状態」になった時に、同じようにピアノが弾けなくなってしまうので、一人で練習する時でも、新しい曲を練習する時には必ず弾き歌いまで完成させるようにしています。

また、弾き歌いをできるようにしておくことで、実際のクラスでも、ピアノを弾きながら子どもの歌の模唱ができるのでとても役立つの一石二鳥です。

STEP4.弾き歌いしながら「喋る」ことができる

目的:

・ピアノを弾きながら掛け声や指示を出せるようにする

方法

・歌いながら適当なタイミングで適当なことを喋る

子どもの伴奏が「できる」ようになるまでの4つのステップもいよいよ最後のステップです。

ここでは、ステップ3までに完成させた「弾き歌いができる状態」に、曲とは全く関係ない言葉を入れられるようにします。

このステップのポイントは、

・歌の指導を進めやすくする
・不測の事態が起きた時の対応力をつける

ということです。掛け声でおそらく一番わかりやすいのは、子どもが歌う前のタイミングでかける

「さん、はい」

という合図。特に、子どもがどこから歌い始めたらいいかをわからない曲では、こういった掛け声が必要不可欠です。

しかし、この掛け声一つとっても慣れてないと意外とできません。
なので、弾き歌いをしつつ、「さん、はい」とか「もっと楽しそうに!」といったような関係のない言葉を適当に挟む練習もしてみてください。

また、特に幼稚園や保育園の場合歌の最中に子どもが集中してなかったり、何か別のことを始めそうになったり…と、予期せぬことが起こることがあります。

そういう時にも、先生が喋ったらピアノも止まってしまった…となると、他の歌っていた子はどうしても興ざめしてしまいます。

そうならないようにも、「ピアノ+歌+掛け声」という3つのことが柔軟にできるようにしておく必要があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は「子どもの伴奏が「できる」ようになるまでの4つのステップ」ということで、僕自身の経験も踏まえながらピアノを苦手な人が伴奏をできるようになるまでのステップをまとめてみました。

もちろん、これはあくまで僕の場合(=我流)なので、このパターンに当てはまらない先生もいらっしゃるとは思いますが、幼稚園や保育園でピアノ伴奏に困っている先生の何か少しでも参考になれば幸いです。

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