都内には数多くのピアノ教室がありますが、「ピアノ教室」というとそのほとんどが「子ども」や「趣味の大人」向けのもので、「幼稚園教諭や保育士のためのピアノ教室」というのは驚くほどありません。
実際に、私も大学生時代は港区の児童館で、卒業してからは文京区の保育園の非常勤職員としてそれぞれ2年、述べ4年間ほど勤務させていただきましたが、ピアノが弾けなくて苦労していらっしゃる先生は意外と多く、音楽大学をピアノ専攻で卒業した私に「伴奏お願い!」と声がかかることも少なくありませんでした。
幼稚園や保育園というと日常的に「うた」の時間があり、もしかすると小学校、中学校よりも歌う時間は多いかもしれません。
しかし、ほとんどの園では音楽専門の先生がいらっしゃる訳でもなく、基本的には「園の中でピアノが弾ける先生(主に若い先生)」にその役割が任されているのを見て、
「児童館や保育園での勤務経験を元に、若い先生たちの力になれるのではないか」
と思うようになりました。
そこで始めたのがこの
「幼稚園・保育園の先生に特化したピアノ教室」
です。
この「幼稚園・保育園の先生に特化したピアノ教室」を開くにあたり、高校での「保育系音楽」の授業経験をもつ兼清颯(かねきよそう)さんにご相談させていただいたところ、
「高校で保育系の専門学校(大学)を目指す子達も、ピアノの技量は人それぞれだよ」
とおっしゃっていました。
小さい頃からピアノを習っていて「幼稚園(保育園)の先生になりたい」という子もいれば、「(高校3年生の)授業で初めてピアノを学びます」という子もいるのだとか。
そして、これはその上の専門学校(大学)の場合でもそんなには変わらないようです。
確かに幼稚園教諭の試験に関して言えば、
・紙芝居読み聞かせ
・工作
・ピアノ
の3項目から2項目選べば良いので、この段階では確かに「ピアノを弾かない」という選択肢もあります。
しかし、実際に学校を卒業して園で勤務するようになれば、その3つとものスキルが必要で、その中でももしかするとピアノのスキルが一番必要になってくるかもしれません。
その時に、「ピアノを教えてくれる人がいない」という壁にぶつかり結果独学で頑張ることになるのだと思います。
保育園の勤務でそういった先生方の実情を目の当たりにしました。
私自身は、中学時代から合唱コンクールの伴奏をし、大学時代や卒業後もたくさんの伴奏の機会をいただきました。その経験を通して改めて感じることは、
ピアノのソロと伴奏は全くの別物
ということです。
プロの世界でも
ソロは上手だけど、伴奏はあんまり…
みたいな話を聞くこともありますが、そういう次元でなくても、ピアノのソロと伴奏(アンサンブルピアニスト)は全く求められるスキルが違っています。具体的に言うと、
・弾きながら別の音(子どもの歌)を聞くことができるか
・テンポを自由に変えることができるか
・弾き歌いができるか
・間違えても進むことができるか
といったような内容です。ソロは、ある意味自分自身との戦いですが、伴奏になると何よりもまず「子どもが歌いやすい」ということが重要になります。
そして、世の中の多くのピアノ教室ではそういった内容に関しては教えてくれません。
だからこそ、
「それを専門に教えてあげられる教室があったら先生たちは助かるんじゃないか…?」
と思っていたところ、勤務先の服園長先生にも
「それは絶対必要だから、ぜひやってほしい!」
と言われたことで、この度思い切って教室としてオープンすることになりました。
まだまだスタートしたばかりの教室ですが、各幼稚園(保育園)やそこで働いていらっしゃる先生たちの実情に合ったピアノ教室として皆さんのお役に立てれば幸いです。
幼稚園・保育園のピアノ伴奏にお困りの先生で、少しでもご興味ございましたら、ぜひ一度「トライレッスン(体験レッスン)」にお越しください。
お申し込みは下記より受け付けております。