当教室は緊急事態宣言が発令された4/6〜5/7まで(※予定)休講という措置をとっています。休講の間、ピアノ教室にできることとして当教室では大きく分けて2つのことを行なっています。この記事では、一つ目の「オンラインレッスン」についてお話しさせて頂きます。
当教室ではオンラインレッスンをスタートしました
コロナウイルス感染拡大によりオンラインレッスンの実施をしているピアノ教室は数多くあるかと思います。
東京都江東区にある当教室でも対面でのレッスンを休講とし、オンラインレッスンを始めています。
対面レッスンとは違い、画面越しでコミュニケーションをとることから、初めてオンラインレッスンを受ける際には、様々な心配事があるのではないかなと感じています。
オンラインレッスンを試してみたい生徒さんや教室の先生方に向けて、今回はオンラインレッスンは具体的にどのように行うのか、ということについてお話ししていこうと思います。
※今回ご紹介するオンラインレッスンについては、『ある程度自分でピアノを弾く事ができる生徒さん』を対象とします。具体的には、ピアノ教材の導入書(「バーナムピアノテクニックミニブック〜」,「ピアノ弾けるよジュニア1〜」,「オルガン・ぴあのの本1〜」等の教本)を自分で楽譜を読み、両手で弾くことができるレベルの生徒さんを想定しています。
※私自身も手探りで導入している部分がありますので、今回ご紹介している例はあくまでも「オンラインレッスンの一例」ということでご理解ください。
オンラインレッスンの日までに準備して頂くもの。
生徒さんにはオンラインレッスンの当日までに、教本の中から
・自分が弾きたい曲
あるいは
・弾けそうな曲
を練習しておいてもらいます。
曲数や課題曲等の設定は特にせずに、また教本も順番通りではなく気に入った曲を弾いてもらっています。
ここで大切なのは楽譜をぱっと見た時に「簡単だなと思もの」、「少し頑張ったら弾けそうなもの」を練習するということ。
なぜなら、普段の対面レッスンでは難しい曲でもレッスンで一緒に譜読みを行う事が出来ますが、オンラインだと譜読みの作業を一緒に行うことは難しく、
「難しくてわからない=ピアノの練習が嫌だ」
ということが起こってしまう可能性があるからです。
わからない音楽記号や音楽用語についてはスムーズに伝えることは出来ますが、細かい音符やリズムについてはオンラインレッスンだとやりにくさがあります。
オンラインレッスン前日
オンラインレッスンの前日に、練習した曲の楽譜を生徒さんから写真で送って頂きます。
手元に楽譜がないものや生徒さんの書き込みがあったりする楽譜に関して事前に確認し、スムーズにレッスンを行うためです。
これはオンラインレッスン当日、撮影しているカメラ等の位置を動かさずにスムーズにレッスンを行うためです。
(弾いている姿を写して→その後楽譜を写して→弾いてる姿→楽譜…というのは大変!)
また、事前に楽譜をいただける事で私(講師)自身がその子が何を気を付けて弾いているのか、また弾いたら良いかを知る事ができ、
オンラインレッスンであっても「いかにわかりやすく伝えるか」、という準備をする事が出来るので、レッスンがより濃厚なものになるのではないかなと思います。
オンラインレッスン当日
普段のレッスンと同じ時間に生徒さんから電話(現在当教室ではLINEビデオ電話を使用しています)をして頂きます。
ご家庭でレッスンを受けられる準備が整ってから始めさせて頂こうと思い、生徒さんの方からお電話をかけてくださるようお願いをしております。
お電話をしていただいたら、まず両方の通話機器ともに画面が映っているかを確認します。
※私自身がビデオ電話に慣れていないため行わせて頂いています(笑)
映っている事が確認できたら早速レッスンです。
事前に頂いた楽譜をもとにどの曲から弾きたいか生徒さんに決めてもらい、
一曲通して弾いてもらう
↓
講師からのコメントともっと良くなる点を伝える。
実際に弾いて聴いてもらったりなど。
↓
伝えたことを踏まえもう一度生徒さんに弾いてもらう
↓
講師のコメント
基本的にはこの繰り返しです。上手に弾けたものに関しては「合格!」と伝え、生徒さんもしくは保護者の方に丸をつけてもらいます。
オンラインレッスンで保護者の方にご協力頂きたいこと
オンラインレッスンを行うに当たり2つ、保護者の方にご協力頂きたい事があります。
一つ目は生徒さんの弾いている姿が映るように携帯電話等の設置をお願い致します。弾いている時の手の形や正しい指番号で弾けているか、姿勢なども確認できるため音のみならず、細かい指導をする事が可能になります。
写して頂く際、手で持ちながらですと疲れてしまうかと思いますので三脚等をお使いになる事をお勧めします。
二つ目は講師が伝えたことなどを楽譜に書き込んで頂くことです。
対面レッスンだと言葉で伝えながら講師が書き込んでいきますが、
オンラインレッスンでは言葉でしか伝えることしか出来ません。
生徒さん自身が自分で書く事が出来ると良いかもしれませんが、
レッスンを受けていると、話を聴く事で精一杯になっている事が
ほとんどで言葉を聞くと同時に書く、という作業を行うのは大変なことだと思います。
私自身も学生時代に恩師のレッスンを受ける際は、
恩師の言葉を受けどのように演奏すれば良いか、ということに意識がいき、
二つの作業を同時に行うことは出来ませんでした。
具体的に何を書けば良いかというと、気を付けて欲しいポイントに印をつける、間違っている音で弾いていたり指番号が違ったらそこを気を付けられるように印をつける、という感じです。
講師が言った事を全て書く、というよりは
大切だと感じた事、練習をする際に必要だと思ったものを、生徒さんがわかるように書き込みをお願い致します。
モチベーションを維持するためのオンラインレッスン
ピアノに限らず全ての楽器に言える事だと思いますが、対面レッスンで出来ることに越したことはありません。なぜなら、良い音で演奏をする事が楽器を演奏する上でとても大切なことだからです。どんなに正確なリズムで演奏出来てもいても、楽譜に書かれている指示記号を守って弾けていても、良い音で演奏出来ていなければ、それを良い音楽と言うには難しいように感じます。
オンラインレッスンでは細かい音のニュアンスまでは聞き取る事は難しく、良い音で弾けているか、というのは対面レッスンでなければ指導することは出来ません。
そのためオンラインレッスンは、あくまでも日々の練習のモチベーションを維持するためにご活用頂ければと思います。
オンラインレッスンを受けた生徒さんと保護者の方の感想
〈良いと感じること〉
通常レッスンの方が何倍も良いと感じますが、オンラインレッスンもあまり不便を感じる事なく良いなと感じています。外出しにくい中で意外と満足してます。
ピアノを弾きながらTV電話というのが新鮮で、聞く姿勢が出来ていて先生の話をよく聴いています。
対面レッスンの時よりもさらに集中してレッスンに取り組む事が出来ました。
親が横につきながらレッスンを行うので、子供の演奏に対する先生の褒め方や声かけ等、親自身が勉強できる機会になっています。
満足に弾くことが出来ていなくても、必ずいいところを見つけて子供に伝えて下さいます。
自宅でのリラックスした空間で、明るい先生のレッスンを受けられることで、いつものレッスン同様に充実した時間を過ごせています。
花丸をもらいたいという思いから練習のモチベーションが上がっています!
〈不便だと感じること〉
強いていうならタイムラグが気になります。
時々、通信が途切れてしまう点については少しやりづらさを感じています。
また、教室のグランドピアノを弾く事が出来ない点については残念です。
オンラインレッスンまとめ
事前に準備することは、
・曲の練習(少し頑張ったら出来そうなものを練習する)
・練習した曲の楽譜を送る
オンラインレッスン当日は、
・カメラの位置設定(弾いている姿が映るように設定)
・楽譜への書き込み(練習をする際に必要なこと、その他大切なこと)
オンラインレッスンはあくまでも日々の練習のモチベーションを維持するために活用すること。
教室が休講の間ひたすら教本の曲を練習するというのは、
少し退屈でレッスンもない中練習を続ける事は大変なことのように感じます。
そんな生徒さんにとってこのオンラインレッスンが少しでも役に立つ事が出来たら嬉しいです。
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