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アウトリーチコンサートの醍醐味

10月12日〜14日の3日間、埼玉県内の小学校にてアウトリーチコンサートを行いました。

通常のコンサートはお客さんがコンサートホールに足を運ぶ事が多いですが、アウトリーチコンサートは学校や幼稚園、病院などといった場所に直接演奏家が出向いて行うコンサートのことを指します。

コンサートホールでの演奏会は演奏家の音楽をお客様が聴く、演奏家発信のコンサートがほとんどですが、アウトリーチコンサートでは、直接演奏家とお話をしたり(コミュニケーション)、実際に楽器を演奏してもらったり(参加型プログラム)と、演奏家と子どもたち(お客さま)双方から発信することがとても楽しく、アウトリーチコンサートの魅力だなと感じます。

今回、お伺いをした小学校は今年で3回目。毎年、お呼び頂いていることが本当に嬉しいです。そして、今年も音楽団体Ensemble Leventの方々とご一緒させて頂きました。トランペット、ユーフォニアム、ピアノの編成でお届けしました。

今年のアウトリーチのプログラムは下記の通り♪

〈オープニング〉「茶色の小瓶」

コンサートは「茶色の小瓶」で幕開け。まずピアノの私が生徒さんたちのいるお部屋に一人で入り演奏を始め、その後ユーフォニアムの方、その後トランペット。曲の最後は3人揃って華やかに終わり。演出も工夫を凝らして、次々に登場する楽器に子どもたちは興味津々の様子でした。

〈ご挨拶〉

オープニングのあとは、ご挨拶と奏者の紹介。その時にオープニングで演奏をした曲を知っている?と聞いたところ、ほとんどの生徒さんたちが「ビールのCMの曲〜!」と(笑)
聴いている生徒さんたちの感想を直接聴けるのは本当に面白いです。

〈鑑賞〉

合間にトークをを交えながら曲の演奏。
「ルパン三世のテーマ」
トランペットが活躍の曲。あえて曲名は言わずに演奏をしました。演奏開始のすぐに「知ってる!」という声が♪

「ピンクパンサーのテーマ」
管楽器の音色を変えるために使用するミュートというものの紹介を含めてこの曲を演奏。ミュートというものを子どもたちに見せると、「トイレで使うやつだ!」などといった、面白い声が!笑

〈体験コーナー①〉〜トランペットを吹いてみよう〜

ここからは体験コーナー♪
管楽器の息を吹き込む部分となる、マウスピースを使い、生徒さん全員に実際に音を出してもらいました。このマウスピース。音を出すのがとても難しく、今回共演させて頂いたトランペットの方は、音が出るまでに一週間かかったそう…!
こちらの学校の生徒さん、全員がマウスピースを鳴らすのはは初めての経験だったようですが、すぐに音が出せた生徒さん、苦戦しながらも音を出せた生徒さん、さまざまな生徒さんがいらっしゃいました。

ちなみに、私は高校生の時にマウスピースを体験しましたが全く音が出ませんでした(笑)

そして、生徒さん全員にマウスピースを体験してもらったら次は、このマウスピースをトランペットにつけて実際にトランペットを吹いてもらいました!今回は代表の生徒さん2名に、体験をして頂きました。

※毎年、生徒さん全員にトランペットを吹くところまで体験をしてもらっていますが、今年は感染拡大防止を考え、密を避けるために代表の生徒さんのみ体験をしてもらいました。

プロとの共演は生徒さんにとって貴重な経験となったことと思います。

〈鑑賞〉「トランペット吹きの休日」

マウスピースを使いトランペットを吹くことの難しさを生徒さんに体験をしてもらった上で、トランペットが大活躍のこの曲を演奏しました。演奏後、生徒さんから盛大な拍手が!体験前に聴くトランペットと体験後に聴くトランペット、きっと生徒さんは新鮮な気持ちで聴くことが出来たことと思います。

〈鑑賞〉(ピアノ独奏)

〜ベートーヴェン:ピアノソナタ第30番〜
管楽器の曲や、管楽器の音の出る仕組みなどを行ったあとは、ピアノの演奏。今年、2020年はベートーヴェン生誕250年ということで、ベートーヴェンの曲を演奏いたしました。演奏の前にベートーヴェンってどんな人だったか、それから今回演奏する曲についてをお話ししました。コンサートホールで聴く場合、当然のことながら席に座って聴きますが、アウトリーチコンサートでは生徒さんに自由に動いてもらって好きなところで演奏を聴いてもらいました。普段見ることのできない、弾いている最中のピアノの内部の動きに生徒さんは興味津々のようでした。

〈体験コーナー②〉〜音を触ってみよう〜

続いての体験コーナー。
音の出る仕組みを体験した後は、実際に音に触ってもらいました!使用するのは、水を流したりするホース。このホースにマウスピースをつけ、息を入れ音が鳴っているホースを生徒さん全員に触ってもらいました。低い音と高い音では触れた感覚が全く違ったようで生徒さんは大興奮!
初めてこの体験を見るまでは音に触れるってどういうことだろうと、私自身感じていたのですが、この体験はとてもわかりやすく非常に面白いなと感じました♪

〈プロの演奏家と共演〉
〜キリマンジャロの合奏を生徒さんと一緒に〜

体験、鑑賞を含め40分くらいのプログラムの後は10分休憩を挟み、その後生徒さんが授業で合奏を行なっているキリマンジャロを各パートに分かれ、指導をさせてもらいました。20分ほどパートごとに練習をし、それぞれのパートの練習の成果を披露し、キリマンジャロの合奏を行いました。
リコーダー、ピアニカ、打楽器、木琴、トランペット、ユーフォニアム、ピアノ。
最後は全員で演奏をし、アウトリーチコンサートは終演しました!

演奏家が一方的に発信するだけでなく、双方がコミュニケーションをとりながら行うアウトリーチコンサート。この経験が、これからの長い人生を生きていく子供達世代にとって、自分の趣味だったり将来の夢だったりを見つけるためのきっかけになっていたら嬉しいなと思っています。

そしていつか、今回お会いした生徒さんの中から音楽の道を志し、大人になって、どこかで会えたらうれしいな、なんて思っています♪

このコロナ禍 、音楽家にとっては演奏会が次々と中止になり、私自身も楽しみにしていた演奏会が中止や延期となってしまいました。そんな中、久しぶりにたくさんの子どもたちの前で演奏をさせて頂けたことは本当に本当に嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいです。
今回の企画に携わってくださった小学校の先生方、ご一緒させて頂いたEnsemble Leventの方々ありがとうございました。

いつか、当教室がある江東区内の幼稚園や保育園、小学校等でアウトリーチコンサートができたら良いなと思っています(^^)

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